これは日記というか、何というか・・・気まぐれ記?
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「劇場で映画観てきたよ~」報告
最近、夜中に暴風雨と雷がすごくて、かなり寝不足気味のカタツムリです。
夜中に雷は反則でしょ・・・音もスゴイけど、何より稲光がスゴくて、一瞬にして夕方くらいの薄暗さまで辺りが明るくなるものだから、気になって眠れません(-_-)(-_-)(-_-)
おまけにうちのビビリ犬たちが大騒ぎ@@@@@
外犬は今にもショック死しそうな叫び声を上げ、中犬はご先祖様の仏壇の前でビビしょん。
ど~しよ~もねぇ・・・^^;
さて、本日、映画『スカイ・クロラ』を鑑賞して参りました。
朝一、10:30の回を目当てに行ったのデスが・・・ビックリ!!
着いてみるとチケットカウンターには長蛇の列!!!!
「なして・・・(○_○)??」
と、思っていたら、よく見ると周りは子供連ればかり。
どうやら、『崖の上のポニョ』目当ての客が列を長くしていたようデス。
ポニョ公開開始直後・夏休み・レディースデイ・朝一・・・いろ~んな条件が重なってたみたいデス(--;)
しかし、ヒドいのは映画館側の対応!
ポニョ客もそうじゃない客も一緒に列に並ばせるものだから、他の作品の上映開始時刻を過ぎてもチケットが買えないありさま。。。
しかもポニョはその日の第2回上映分(11:00の回)までチケットが完売状態で、今並んでても第3回目の午後からのチケットしか手に入らないというコトで、時間的には余裕のある客ばかりなわけデス。
普通、ポニョ目当てが多いって分かった時点で、ポニョ専用カウンターを設けたりするだろ・・。
ホントに考えがない!イオンシネマ高崎!!!!
結局、何とかチケットを購入して、10分遅れで会場入りして、頭の数秒が欠けてしまいました(T_T)
しかも、『スカイ・クロラ』はほんの10名程度しか客がいない状態。
あれは絶対に客を逃してマスよ。
あれじゃ、他の作品観に来た人は並ぶ気になりませんもの。。。
しかし、ワタシは並んで観て来ました。
ハッキリ言って、感動しました(T_T)
たぶんもう一度見に行きマス☆二度見なんてしたコトないけど、これは観に行くカモ。
『スカイ・クロラ』は森博嗣氏の同名小説をアニメーション化した作品。
“スカイ・クロラ”シリーズ(?)は全部で6作品。
スカイ・クロラはその中でも一番初めに出版された作品デスが、物語上の時系列で行くと最終話にあたるそうデス。
ストーリーは、実在するか定かでない、おそらくヨーロッパのどこかの国で、“ショーとしての戦争”を繰り広げている若者たちの姿を描いたもの。その若者たちは政府から公認された戦争請負会社(ロストック社)に所属し、敵会社(ラウテルン社)のパイロット相手に戦争をしていマス。つまり彼らのしている戦争は、政府のプロジェクトの一つとして合法的に許可を受けているワケです。そして、そんな戦争に身を投じているのは“キルドレ”と呼ばれる“大人になれない子供たち(大人にならない子供たち?)”。彼らが戦闘機に乗るのは、子供の姿の方が戦闘機には乗りやすいという利点から。そしてもう一つ、彼らは戦争などで負傷しない限り死なないから。
この物語をアニメーションに起こしたのは、押井守監督。
『イノセンス』から早くも4年が経ち、やっと押井監督の新作が登場デス。
しかも、音楽はずっと押井作品に携わってきた川井憲次氏。最強コンビです!!
テーマ曲が最近、頭から離れません。切なくなるほど、情感たっぷりな音楽デス。
そして、声優陣は、加瀬亮,菊池凛子,谷原章介,栗山千明ほか多数の豪華俳優陣。
今年の夏は宮崎・押井の2大巨匠対決(ポニョVSスカイ・クロラ)と世間では騒がれ、2作品ともベネチア国際映画祭にノミネートされていマスが、全く作品のジャンルも性格も異なる2作品を競わせるってのはどうなんでしょ(-_-)?
宮崎アニメはここ最近、CGを駆使して作品を作ってきましたが、ポニョは作画の原点に立って、一枚一枚手書きのアニメに戻してきたらしいデスね。それでこそ、宮崎アニメ!
やっぱ下手にCGを使って欲しくない、手書きの温もりのある画が宮崎アニメの醍醐味デスからね。
一方、押井作品は手書きアニメと3DCGを融合させて、新たな世界観を作り上げていマスが、その壮大さはいつも圧倒されマス。押井作品はその映像美を見るだけでも楽しめマス。
しかも、イノセンスもそうでしたが、押井監督は3DCGをただ映像の緻密化(リアリティ?)のために利用しているのではなく、物語の進行に合わせて、人物の精神状態や世界観の変化などを表現する道具として使用しているのが素晴らしいデスよね。そういう発想もあるんだなぁ~と。
2人とも素晴らしい監督デス。やっぱ日本のアニメーションは層の厚さをカンジますね。
さて、本題に戻りマスが。
話は、パイロットの函南優一がロストック社の兎離州基地に配属されるところから始まりマス。
兎離州基地は女性司令官の草薙水素を筆頭に、パイロットの土岐野,湯田川,篠田、女性整備主任の笹倉など整備士数名で組織されている。ちなみに整備士以外はおそらく全てキルドレ。草薙も元はエースパイロット。
(ちなみに、草薙は冷徹冷静な女性。土岐野はお調子者。湯田川は穏やかで几帳面。篠田は口数少なく自由。)
函南は着任早々、新しい機体“散香”を引き継ぎマス。その機体の前任者は、栗田仁朗なる人物。
前任者のコトは気になりつつも、函南の操縦技術は素晴らしく、すぐにエースパイロットになりマス。
函南は主に同室の土岐野と組んで仕事をし、プライベートでも何かとつるんでいました。
そして、その中で函南はよく思うのデス。
「(この人)どっかで会ったような気がする」「この機体、何だかしっくりくる」「どこかで食べたような味がする」・・・デジャヴのような感覚。
函南は草薙にどこか懐かしさを覚えていて、彼女のコトが何かと気にかかりマス。
草薙や周りのスタッフたちも明らかに何かを隠しているけど、それを表に出さない。
そして、次第に明らかになるのが、機体の前任者・栗田仁朗は草薙によって殺されたという事実。
更に、基地に突然顔を出してきた草薙の妹・瑞季は、実は草薙自身の娘だというコト。
これらの事実関係の根底には、切なくも儚い恋がありました。
ある日、ラウテルンとの戦闘で湯田川が命を落としマス。
湯田川を討ったのは、黒豹が描かれた“スカイリィ”という機体で、その機体の操縦士は“ティーチャー”と呼ばれる“大人の男”。キルドレではない、子供の力では到底勝ち得ない相手。
「ティーチャーに空で会ったら、生きては帰れない」と言われるほど。
その事件をきっかけに、今まで冷静だった草薙の精神が破綻しマス。というか、今まで破綻しつくしていた精神状態がアラワになったのデス。
草薙は一人でティーチャーに戦いを挑み、命からがら帰還しマス。
今までにも、草薙はティーチャーが自分の部下を傷つける度にそんな無茶をしていました。
そして、続いてロストック社の各基地合同で一大プロジェクトが実行されるコトとなりマス。
ラウテルン社の総攻撃。
そこで集まったパイロットたちは、やはりキルドレ。
その中に三ツ矢という女性パイロットがいて、彼女は草薙と函南のコトを何かと詮索しマス。
そして、三ツ矢はある日函南に打ち明けるのデス。
「自分がどこの出身で、前はどこの部隊に所属してたか覚えてる?」
そう。キルドレたちには、各々の基地に配属されるまでの前の記憶が無いのデス。
その事実に直面し、自分が何者なのか分からない恐怖から、三ツ矢は取り乱しマス。
更に、兎離州基地には死んだはずの湯田川によぉ~く似た合原という男がパイロットとして赴任してきました。
三ツ矢の話、合原の赴任・・・その中で函南は次第に記憶を甦らせていくのデス。
それは草薙との記憶。前任者・栗田仁朗のコト。そして、ティーチャーとの因縁。
そして、函南自身もティーチャーとの戦いに身を投じて行きマス。。。
キルドレたちが戦争を続ける理由。
戦争がこの世からなくならない理由。
それは“人は世界のどこかで戦争をし、人が傷つき死んでいく事実がないと、平和を実感できない”からだと、
この作品は言っていマス。
闇が無ければ光が感じられないのと一緒というワケです。
賛成しかねる理論デスが・・・人間が悲惨だと分かっていても戦争を繰り返している理由はそこにあるのカモしれませんね。
だから、戦争は終わってはならない。
このショーとしての戦争を終わらせるワケにはいかない。
だから“ティーチャー”という、勝てない存在が必要というワケです。
戦いにおいて、強者と弱者がいる。
これも今の世界を映し出していると言えるカモしれません。
そして、“キルドレ”という非現実的な存在は、現代の若者を象徴しているそうデス。
現代の子供たちは討たれ弱く、精神的になかなか大人になれず、少し困難にぶつかるとすぐに他人を傷つけたり、自傷行為をしたりしマス。
つまり他人や自分を傷つけなければ、“自分が生きているコト”や“自分が社会の一員であるコト”を実感できないわけデス。
函南が劇中で「何で大人にならないの?」と聞かれ、こう答えていマス。
「明日死ぬカモしれないのに、大人になりたいと思う?」と。
明日はどうなるか分からない。だから、成長しなくてもいい。というワケです。
今の子供たちにピッタリ当てはまるんじゃないデスか。
しかし、そんな不条理な運命をキルドレたちも少しずつおかしいと気づき、おかしいと確信した者だけがその運命から逃れられず、精神破綻をきたしていくのデス。
「何のために毎日を生きているのか。死ぬために生きているのか。そんなハズじゃない。。。」
そんな悲痛なメッセージを製作者は込めているのデス。
そんなメッセージ性のある作品であり、物語は静かに進行して行きマスが、戦闘シーンはかなりエキサイティングで、メリハリがあり全然飽きませんでした。
戦闘シーンの迫力はスゴイです!
3DCGにより描かれた戦闘機がリアルで、ものスゴイ臨場感!思わずこっちまで緊張してしまいマス。
特にティーチャーの間合いに入った時は、曲と相まって恐怖感まで起こってきマス。
これも見どころの一つデスね!
それから・・・声優に関してはあまり言わないでおきマス。
ただ、声優は俳優になれるけど、俳優は声優になるのは難しいカナ・・・。
特に草薙や函南みたいな静かな役ほど難しいんだとは思いマスが。
あぁでも、谷原章介の演技力は上がってたと思いマス。少なくても韓ドラ“イヴのすべて”の時よりは成長しました。
また、この物語の中には純粋な愛の物語も含まれていマス。
ここから先は本気でネタバレしマスので、是非一度劇場で作品をご覧になってから読んで下さい。
ワタシも作品の結末を知っている前提でお話しマス。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
キルドレはモルモットでしかない。
戦いの道具として利用されるだけの存在。
今の自分というものが滅びれば、クローンのようにまた甦らせられ、再び戦いに身を投じなければならない。
愛する者の記憶すら思い出せなくなる。
悲しい運命デスよね。
栗田と草薙は愛し合っていて、その事実に辿り着いた時に栗田は精神破綻を来たし、草薙は栗田を楽にしてあげるために泣く泣く殺したんデスよね。
そして、甦ったきたのが函南。
苦しかったでしょ~ね、草薙。
愛する人を自分の手で殺して、その人のクローンが現れて、全く同じ声で話し、全く同じ仕草をする。
(草薙だけじゃなく、他のキルドレたちも函南に「栗田の生まれ変わりだ」というコトは隠していたけど。そういう風にプログラムされているのか??)
キルドレの運命・草薙のコト、それらを思い出した時、函南が「君は生きろ」と言い、草薙は泣き崩れたけど、きっと今まで張り詰めていた気持ちが一気に溢れてしまったんでしょね。ワタシも思わずほろりと泣けてしまいました(;_;)
悲しすぎる恋デスよね。
それに最後に、函南がティーチャーとの戦いに身を投じていくのも切ない。
草薙を楽にしてあげるためにも、ティーチャーという絶対に倒せない存在を打ち砕き、この戦争を終わらせたかった。
そして、おそらくティーチャーとの子供である瑞季の存在を知り、嫉妬心もあったんじゃないデスかね。
ティーチャーとの一騎打ちに向かう前に、戦闘機上と基地上で見詰め合った2人のシーンは、切なくて涙が出ました。。。
押井監督がこの作品を「素直な作品」だと証しただけあって、今までの押井作品よりとても分かりやすいストーリーでした。
それだけにすごく気持ちに伝わってくるものが多い作品でした。
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夜中に雷は反則でしょ・・・音もスゴイけど、何より稲光がスゴくて、一瞬にして夕方くらいの薄暗さまで辺りが明るくなるものだから、気になって眠れません(-_-)(-_-)(-_-)
おまけにうちのビビリ犬たちが大騒ぎ@@@@@
外犬は今にもショック死しそうな叫び声を上げ、中犬はご先祖様の仏壇の前でビビしょん。
ど~しよ~もねぇ・・・^^;
さて、本日、映画『スカイ・クロラ』を鑑賞して参りました。
朝一、10:30の回を目当てに行ったのデスが・・・ビックリ!!
着いてみるとチケットカウンターには長蛇の列!!!!
「なして・・・(○_○)??」
と、思っていたら、よく見ると周りは子供連ればかり。
どうやら、『崖の上のポニョ』目当ての客が列を長くしていたようデス。
ポニョ公開開始直後・夏休み・レディースデイ・朝一・・・いろ~んな条件が重なってたみたいデス(--;)
しかし、ヒドいのは映画館側の対応!
ポニョ客もそうじゃない客も一緒に列に並ばせるものだから、他の作品の上映開始時刻を過ぎてもチケットが買えないありさま。。。
しかもポニョはその日の第2回上映分(11:00の回)までチケットが完売状態で、今並んでても第3回目の午後からのチケットしか手に入らないというコトで、時間的には余裕のある客ばかりなわけデス。
普通、ポニョ目当てが多いって分かった時点で、ポニョ専用カウンターを設けたりするだろ・・。
ホントに考えがない!イオンシネマ高崎!!!!
結局、何とかチケットを購入して、10分遅れで会場入りして、頭の数秒が欠けてしまいました(T_T)
しかも、『スカイ・クロラ』はほんの10名程度しか客がいない状態。
あれは絶対に客を逃してマスよ。
あれじゃ、他の作品観に来た人は並ぶ気になりませんもの。。。
しかし、ワタシは並んで観て来ました。
ハッキリ言って、感動しました(T_T)
たぶんもう一度見に行きマス☆二度見なんてしたコトないけど、これは観に行くカモ。
『スカイ・クロラ』は森博嗣氏の同名小説をアニメーション化した作品。
“スカイ・クロラ”シリーズ(?)は全部で6作品。
スカイ・クロラはその中でも一番初めに出版された作品デスが、物語上の時系列で行くと最終話にあたるそうデス。
ストーリーは、実在するか定かでない、おそらくヨーロッパのどこかの国で、“ショーとしての戦争”を繰り広げている若者たちの姿を描いたもの。その若者たちは政府から公認された戦争請負会社(ロストック社)に所属し、敵会社(ラウテルン社)のパイロット相手に戦争をしていマス。つまり彼らのしている戦争は、政府のプロジェクトの一つとして合法的に許可を受けているワケです。そして、そんな戦争に身を投じているのは“キルドレ”と呼ばれる“大人になれない子供たち(大人にならない子供たち?)”。彼らが戦闘機に乗るのは、子供の姿の方が戦闘機には乗りやすいという利点から。そしてもう一つ、彼らは戦争などで負傷しない限り死なないから。
この物語をアニメーションに起こしたのは、押井守監督。
『イノセンス』から早くも4年が経ち、やっと押井監督の新作が登場デス。
しかも、音楽はずっと押井作品に携わってきた川井憲次氏。最強コンビです!!
テーマ曲が最近、頭から離れません。切なくなるほど、情感たっぷりな音楽デス。
そして、声優陣は、加瀬亮,菊池凛子,谷原章介,栗山千明ほか多数の豪華俳優陣。
今年の夏は宮崎・押井の2大巨匠対決(ポニョVSスカイ・クロラ)と世間では騒がれ、2作品ともベネチア国際映画祭にノミネートされていマスが、全く作品のジャンルも性格も異なる2作品を競わせるってのはどうなんでしょ(-_-)?
宮崎アニメはここ最近、CGを駆使して作品を作ってきましたが、ポニョは作画の原点に立って、一枚一枚手書きのアニメに戻してきたらしいデスね。それでこそ、宮崎アニメ!
やっぱ下手にCGを使って欲しくない、手書きの温もりのある画が宮崎アニメの醍醐味デスからね。
一方、押井作品は手書きアニメと3DCGを融合させて、新たな世界観を作り上げていマスが、その壮大さはいつも圧倒されマス。押井作品はその映像美を見るだけでも楽しめマス。
しかも、イノセンスもそうでしたが、押井監督は3DCGをただ映像の緻密化(リアリティ?)のために利用しているのではなく、物語の進行に合わせて、人物の精神状態や世界観の変化などを表現する道具として使用しているのが素晴らしいデスよね。そういう発想もあるんだなぁ~と。
2人とも素晴らしい監督デス。やっぱ日本のアニメーションは層の厚さをカンジますね。
さて、本題に戻りマスが。
話は、パイロットの函南優一がロストック社の兎離州基地に配属されるところから始まりマス。
兎離州基地は女性司令官の草薙水素を筆頭に、パイロットの土岐野,湯田川,篠田、女性整備主任の笹倉など整備士数名で組織されている。ちなみに整備士以外はおそらく全てキルドレ。草薙も元はエースパイロット。
(ちなみに、草薙は冷徹冷静な女性。土岐野はお調子者。湯田川は穏やかで几帳面。篠田は口数少なく自由。)
函南は着任早々、新しい機体“散香”を引き継ぎマス。その機体の前任者は、栗田仁朗なる人物。
前任者のコトは気になりつつも、函南の操縦技術は素晴らしく、すぐにエースパイロットになりマス。
函南は主に同室の土岐野と組んで仕事をし、プライベートでも何かとつるんでいました。
そして、その中で函南はよく思うのデス。
「(この人)どっかで会ったような気がする」「この機体、何だかしっくりくる」「どこかで食べたような味がする」・・・デジャヴのような感覚。
函南は草薙にどこか懐かしさを覚えていて、彼女のコトが何かと気にかかりマス。
草薙や周りのスタッフたちも明らかに何かを隠しているけど、それを表に出さない。
そして、次第に明らかになるのが、機体の前任者・栗田仁朗は草薙によって殺されたという事実。
更に、基地に突然顔を出してきた草薙の妹・瑞季は、実は草薙自身の娘だというコト。
これらの事実関係の根底には、切なくも儚い恋がありました。
ある日、ラウテルンとの戦闘で湯田川が命を落としマス。
湯田川を討ったのは、黒豹が描かれた“スカイリィ”という機体で、その機体の操縦士は“ティーチャー”と呼ばれる“大人の男”。キルドレではない、子供の力では到底勝ち得ない相手。
「ティーチャーに空で会ったら、生きては帰れない」と言われるほど。
その事件をきっかけに、今まで冷静だった草薙の精神が破綻しマス。というか、今まで破綻しつくしていた精神状態がアラワになったのデス。
草薙は一人でティーチャーに戦いを挑み、命からがら帰還しマス。
今までにも、草薙はティーチャーが自分の部下を傷つける度にそんな無茶をしていました。
そして、続いてロストック社の各基地合同で一大プロジェクトが実行されるコトとなりマス。
ラウテルン社の総攻撃。
そこで集まったパイロットたちは、やはりキルドレ。
その中に三ツ矢という女性パイロットがいて、彼女は草薙と函南のコトを何かと詮索しマス。
そして、三ツ矢はある日函南に打ち明けるのデス。
「自分がどこの出身で、前はどこの部隊に所属してたか覚えてる?」
そう。キルドレたちには、各々の基地に配属されるまでの前の記憶が無いのデス。
その事実に直面し、自分が何者なのか分からない恐怖から、三ツ矢は取り乱しマス。
更に、兎離州基地には死んだはずの湯田川によぉ~く似た合原という男がパイロットとして赴任してきました。
三ツ矢の話、合原の赴任・・・その中で函南は次第に記憶を甦らせていくのデス。
それは草薙との記憶。前任者・栗田仁朗のコト。そして、ティーチャーとの因縁。
そして、函南自身もティーチャーとの戦いに身を投じて行きマス。。。
キルドレたちが戦争を続ける理由。
戦争がこの世からなくならない理由。
それは“人は世界のどこかで戦争をし、人が傷つき死んでいく事実がないと、平和を実感できない”からだと、
この作品は言っていマス。
闇が無ければ光が感じられないのと一緒というワケです。
賛成しかねる理論デスが・・・人間が悲惨だと分かっていても戦争を繰り返している理由はそこにあるのカモしれませんね。
だから、戦争は終わってはならない。
このショーとしての戦争を終わらせるワケにはいかない。
だから“ティーチャー”という、勝てない存在が必要というワケです。
戦いにおいて、強者と弱者がいる。
これも今の世界を映し出していると言えるカモしれません。
そして、“キルドレ”という非現実的な存在は、現代の若者を象徴しているそうデス。
現代の子供たちは討たれ弱く、精神的になかなか大人になれず、少し困難にぶつかるとすぐに他人を傷つけたり、自傷行為をしたりしマス。
つまり他人や自分を傷つけなければ、“自分が生きているコト”や“自分が社会の一員であるコト”を実感できないわけデス。
函南が劇中で「何で大人にならないの?」と聞かれ、こう答えていマス。
「明日死ぬカモしれないのに、大人になりたいと思う?」と。
明日はどうなるか分からない。だから、成長しなくてもいい。というワケです。
今の子供たちにピッタリ当てはまるんじゃないデスか。
しかし、そんな不条理な運命をキルドレたちも少しずつおかしいと気づき、おかしいと確信した者だけがその運命から逃れられず、精神破綻をきたしていくのデス。
「何のために毎日を生きているのか。死ぬために生きているのか。そんなハズじゃない。。。」
そんな悲痛なメッセージを製作者は込めているのデス。
そんなメッセージ性のある作品であり、物語は静かに進行して行きマスが、戦闘シーンはかなりエキサイティングで、メリハリがあり全然飽きませんでした。
戦闘シーンの迫力はスゴイです!
3DCGにより描かれた戦闘機がリアルで、ものスゴイ臨場感!思わずこっちまで緊張してしまいマス。
特にティーチャーの間合いに入った時は、曲と相まって恐怖感まで起こってきマス。
これも見どころの一つデスね!
それから・・・声優に関してはあまり言わないでおきマス。
ただ、声優は俳優になれるけど、俳優は声優になるのは難しいカナ・・・。
特に草薙や函南みたいな静かな役ほど難しいんだとは思いマスが。
あぁでも、谷原章介の演技力は上がってたと思いマス。少なくても韓ドラ“イヴのすべて”の時よりは成長しました。
また、この物語の中には純粋な愛の物語も含まれていマス。
ここから先は本気でネタバレしマスので、是非一度劇場で作品をご覧になってから読んで下さい。
ワタシも作品の結末を知っている前提でお話しマス。
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キルドレはモルモットでしかない。
戦いの道具として利用されるだけの存在。
今の自分というものが滅びれば、クローンのようにまた甦らせられ、再び戦いに身を投じなければならない。
愛する者の記憶すら思い出せなくなる。
悲しい運命デスよね。
栗田と草薙は愛し合っていて、その事実に辿り着いた時に栗田は精神破綻を来たし、草薙は栗田を楽にしてあげるために泣く泣く殺したんデスよね。
そして、甦ったきたのが函南。
苦しかったでしょ~ね、草薙。
愛する人を自分の手で殺して、その人のクローンが現れて、全く同じ声で話し、全く同じ仕草をする。
(草薙だけじゃなく、他のキルドレたちも函南に「栗田の生まれ変わりだ」というコトは隠していたけど。そういう風にプログラムされているのか??)
キルドレの運命・草薙のコト、それらを思い出した時、函南が「君は生きろ」と言い、草薙は泣き崩れたけど、きっと今まで張り詰めていた気持ちが一気に溢れてしまったんでしょね。ワタシも思わずほろりと泣けてしまいました(;_;)
悲しすぎる恋デスよね。
それに最後に、函南がティーチャーとの戦いに身を投じていくのも切ない。
草薙を楽にしてあげるためにも、ティーチャーという絶対に倒せない存在を打ち砕き、この戦争を終わらせたかった。
そして、おそらくティーチャーとの子供である瑞季の存在を知り、嫉妬心もあったんじゃないデスかね。
ティーチャーとの一騎打ちに向かう前に、戦闘機上と基地上で見詰め合った2人のシーンは、切なくて涙が出ました。。。
押井監督がこの作品を「素直な作品」だと証しただけあって、今までの押井作品よりとても分かりやすいストーリーでした。
それだけにすごく気持ちに伝わってくるものが多い作品でした。
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