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これは日記というか、何というか・・・気まぐれ記?
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やんごとなき事情が重なり、本日、急遽映画見に行って来ました。

もちろん、作品は以前から見たいと言ってた
  “The Reader”   『愛を読むひと』 
主演のK・ウィンスレットがオスカーを獲った作品。

ワタシはこの作品のストーリーを、“15歳の少年が年上の女性に恋をし、関係を持ち、幸せなひと夏を過ごすけど、女性は突然姿を消してしまう。そして、数年後再会し、女性を秘密を知るコトとなる。”というところまでしか把握してませんでした。
それだけでも、いろいろと想像力をかき立てられるようなカンジだったので見に行ったのデスが、それ以上にまた違ったメッセージ性のある作品でした。

ストーリーは、15歳の少年・マイケルは体調を崩して道端で立ちすくんでいる時に、21歳年上の女性・ハンナに助けてもらう。それをきっかけにマイケルはハンナに恋をし、関係を持ち、やがてマイケルが小説や戯曲を朗読するコトが、二人の愛の儀式となっていた。幸せなひと夏を過ごすが、ハンナは突然姿を消してしまう。
そして数年後、法科生となったマイケルは、ゼミの授業で参加した実際の裁判で、ハンナと再会する。ハンナは戦争犯罪者として裁かれていた。そして、裁判を傍聴している間にハンナの秘密を知るコトとなる。彼女はなぜ自分の前から姿を消したのか、そして、その秘密を証言すればハンナを助けるコトが出来るけど、ハンナはそれを望まず、マイケルはずっと消えるコトの無かったハンナへの愛との狭間で葛藤し、ある決断を下す。
更に10年後、弁護士となったマイケルは結婚と離婚を経験し、改めてハンナへの愛を再認識し、服役中のハンナに朗読した小説を吹き込んだテープを送り始める。ハンナへの無償の愛を証明するために。

というお話。

この作品は、第二次世界大戦下において、ナチスがユダヤ人に対して行った虐殺を加害者の側から紐解いていくという一面と、そのコトを軸にハンナという女性の秘め事、そしてハンナとマイケルの愛の在り方を描いたものデス。
何だかすごく行間を読み取らせる作りになっていて、映画を見てるのに小説を読んでいるようでした。
なので、一度見ただけではメッセージが噛み砕けなくて、映画を見た後にパンフレットの中身も読んで、やっと半分くらい理解したカナ?というカンジでした。
まず、なかなかハンナという女性を理解するコトが出来なくて、全然魅力を感じられず、感情移入が出来なかったんデスよね。
かなり自分勝手な女性だし、彼女に隠された秘密が分かった後でも何だか自業自得のような気がして。それに戦争犯罪者として、自分の罪に対する姿勢とか、かなりイラッとくるところもあって。
ただ今思えば、教育によって敵国の人を殺すコトを善とする道徳を植えつけられれば、職務として命令されるがままに任務を遂行するしかなかっただろうし、それは当時の日本人だって同じだったと思いマス。
だから、ハンナが裁判に掛けられて、多少理不尽な部分はあっても刑を受け、服役し、再びマイケルと再会するまでと、再会した後のハンナの自らの罪に対する考え方の変化は、自然な流れだったのカナと思いました。
戦後に生まれたマイケルやワタシ達は、どうしても当時のナチスや日本の大量虐殺について他人事のように考えてしまい、それに関わった人たちを全て“悪”と決め付けてしまいがちデス。
あの当時、『私は貝になりたい』のように、嫌だと思っても上の命令に従うしかなかった人は当然いたと思うし、ハンナはそういうのとはちょっと違うので改心と贖罪をする必要は十分にあると思いマスが、何だか複雑な気持ちデスね。こと戦争状態の時の人間の心理や立場に関しては。。。
そして、ハンナの一番大事なパーソナリティである“秘密”。
これが中心にあってマイケルとハンナの愛は深まったり揺れ動いたりするわけデス。
マイケルは裁判中にその秘密に気づき、そして、15歳の時ハンナの朗読者になっていた自分の立場とハンナの過去(ハンナの過去にいた朗読者の存在)とがシンクロした時、再び服役中のハンナの朗読者にならなければならないと思ったわけデスよね。
朗読は、マイケルがハンナを愛する方法の一つであり、特に服役中のハンナに送り続けたテープでの朗読は無償の愛を感じましたね。
そして、服役中のハンナが改めてマイケルの朗読を聞いて起こした行動も、今までマイケルを子供扱いして優位に立っていたプライドを捨て、素直にマイケルの愛に応えようとしている気がして、そこで初めてハンナという女性に共感できる部分がありました。
今のワタシに言えるのはこんなコトですね。

K・ウィンスレットの演技は体当たりで、さすがにスゴイとは思いました。
でも同時に、最近のアカデミー主演女優賞の受賞の傾向が分かった気がしました。
『めぐりあう時間たち』のN・キッドマンとか、『モンスター』のC・セロンとか、受賞理由が一貫してる気がしマスよね。
あ、でも誤解ないように。
やっぱK・ウィンスレットの演技は必見デスよ。
『タイタニック』の時よりずっと良いカンジです。
それにR・ファインズも燻し銀の存在感がありましたね。
ワタシは『嵐が丘』のヒースクリフ役をしていたR・ファインズしか知らないデスが、人を静かに愛する役は絶品デス。


というわけで、あと何度か見て、読み砕かないと作品の真意がつかめないカモしれません。
なので、今時点ではオススメも批判もしないでおきマスm(__)m


(追記)
『愛を読むひと』は、うまく感情移入できなかったので泣けなかったのデスが・・・。
実はその理由は他にもあったカモしれません。
本編上映前の予告編で『HACHI』の予告をやっていて、R・ギアが主演のリメイクというコトもあってちょっと小バカにしてた部分があったのデスが、その予告編だけ見て涙流してしまいました^^;
本編見る前に本編とは関係ないトコで泣いてりゃ、作品に感情移入できなくてもおかしくないデスねm(__)m反省


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