これは日記というか、何というか・・・気まぐれ記?
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「劇場で映画観てきたよ~」報告
涙活してきました。
カタツムリです@@@
ずっと楽しみにしてて、初日に見に行ってきました。
映画『蜩ノ記』。
葉室麟・著、直木賞を満場一致で勝ち取った同名小説が原作。
(例によって小説は読んでないのデスが。)
全米感涙協会の感涙映画・第一号に選ばれた作品というコトで、涙活にもってこいだとか。
監督は黒澤明監督の弟子・小泉堯史。
主演・役所広司。
出演・原田美枝子、岡田准一、堀北真希ほか。
城内で騒ぎを起こした咎で、戸田秋谷(役所広司)を監視するよう命ぜられた壇野庄三郎(岡田准一)。
秋谷は7年前に藩主の側室と不義密通した罪で郊外に幽閉され、10年後の切腹とその間に藩の家譜の編纂をするよう命ぜられていた。
庄三郎は秋谷がその家譜に7年前の事件をどう記すかを監視し、3年後に迫った切腹を見届けるのが勤めだった。
しかし、戸田家でともに生活し、何があっても夫を信じて家族に尽くす妻・織江(原田美枝子)や、父の死が目前にあっても健気に生きる娘・薫(堀北真希)、父を尊敬して武士として一人前になろうともがいている息子・郁太郎との交流を通し、戸田秋谷という人物の圧倒的な存在感と、敬愛に値する師としての器の大きさを知る。
そして、7年前の事件の真相に迫っていく中で、ある陰謀に気づいていき、庄三郎は秋谷を助けようと奮闘する。
というお話。
作品について一言で言えば、“美しい”。
登場人物の生き方・相手を想う真心、隙のない所作、自然の映像美、感情をもり立てる曲…その全てが美しすぎて、心洗われました( ´∀`)
何て言えばいいのか。
とにかく、秋谷にしても庄三郎にしても戸田家の人々にしても、それぞれの身分・立場における運命の中で、正々堂々、懸命に生きていて、一日一日を確実に大切にしている様が美しいんデス。
無駄なコトが生き方にも所作にもほとんどなくて、無駄なものを持ち過ぎてる現代が哀れに思えるくらい☆
秋谷と関わる中で、最初は掟や身分のしがらみに心乱されていた庄三郎や役人たちも、次第に浄化されていって、清廉潔白になっていくんデス。
そして、その中には夫婦愛だったり、師弟愛だったり、家族愛だったり、恋愛だったり、友情だったり、主君への敬愛が詰まっていて、とても温かいんデス。
それだけに結末は分かってはいても、そこ(誰しも迎える終末)に向かって己の人生を生ききり、有終の美で思い残すコトなく逝く秋谷が真っ直ぐで潔すぎて、織江が死装束を縫ったり、夫が腹を召す刀を確認したりして、少しずつ心が動揺していく様に涙が出ました。
そして、何と言ってもやはり、役所広司の演技が圧倒的すぎマス。
口にされる言葉の一つ一つに人生の重みがあって、夫として父として師として決して揺るがず動じない大樹のような存在感を放ってるんデス。
岡田くんも今までにない静かで落ち着いた雰囲気で、同じ時代劇でも官兵衛とは違って、武士としての礼儀や覚悟みたいなものが滲み出ている立ち居振舞いが新鮮で良かったデス。
原田美枝子は安定感抜群だし、堀北真希もピッタリ☆
その中で、けっこ~存在感があったのが郁太郎演じる吉田晴登。現在14歳で官兵衛にも出演してるらしいのデスが、完全な脇なのに光ってました☆
また、3年の時の流れを告げる四季折々の自然の景観がダイナミックで、撮影も役者にかかる光の加減なんかを自然に任せて調整していたそうで、ホントに映像自体が美しいデス。
そこに加古隆の曲が情感たっぷりに調和していて、より感情を揺さぶられました。
なんかとにかく“美しい”としか言いようがない。
芸術的作品。
映像だけでなくて、人の美しさ、日本人の忘れていた日本人の美しさが伝わる作品デス。
ぜひ一度見てみてください。
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